- 反響はあるのに追客できていない
- 営業が属人化している
- 人を増やす余裕はないが売上は伸ばしたい
こうした課題を抱える不動産会社は少なくありません。これらを解決する手段として、近年「営業代行」の活用が注目されています。
本記事では、不動産営業代行でできることや種類の違い、失敗しない選び方までをわかりやすく解説します。
不動産の営業代行でできること・できないこと
不動産の営業代行は、主にテレアポや追客など「営業の前工程」を担うサービスです。問い合わせ対応やアポ設定などを外注すれば、営業効率を高める役割があります。
一方、最終的な提案や契約といった重要な場面は自社で対応する必要があります。役割を正しく理解し、分業することで成果につながりやすくなります。
不動産営業代行で対応できる業務
不動産営業代行が担うのは、ポータルサイトや自社HPからの問い合わせへの初動対応、電話・メール・SMSによる追客、来店や商談のアポイント設定などが挙げられます。
また、新規開拓のテレアポや休眠顧客の掘り起こし、顧客情報の整理・入力といった業務にも対応可能です。これらを任せることで営業の生産性が向上します。
営業代行では対応できない業務
営業代行はあくまでサポート領域を担うため、最終的な意思決定に関わる業務は自社で対応する必要があります。
- 自社対応の業務
- 契約業務(重要事項説明・契約締結)
- クロージング(最終意思決定の場)
- 現地案内・対面接客
これらは信頼関係の構築が重要なため、自社の営業担当が対応することで成果につながります。
不動産営業代行の種類と違い
不動産の営業代行は、大きく「源泉営業(物上げ)」と「反響対応・追客」の2つに分かれます。
源泉営業(物上げ)は、売却意欲がまだ高くないオーナーにアプローチし、関係構築を通じて案件化していく営業です。新規リストへの架電や訪問などが中心で、いわば案件の種をつくる役割です。
一方、反響対応・追客は、ポータルサイトや広告から問い合わせのあった顧客に対し、初動対応や継続フォローを行い、商談・成約につなげていく営業です。こちらは案件を売上につなげる役割を担います。
この2つは役割も求められるスキルも大きく異なるため、まずはどちらを強化したいかを明確にすることが重要です。
テレアポ代行(源泉営業)
テレアポ代行は、新規リストに対して架電を行い、アポイント獲得を目的とした営業手法です。これまで接点のなかった見込み顧客にアプローチできるため、短期的にリード数を増やしたい場合に有効です。
一方で、リストや担当者のスキルによって成果に差が出やすく、アポの質にばらつきが生じる点には注意が必要です。
追客代行(反響対応)
追客代行は、問い合わせのあった顧客に対して継続的なフォローを行い、商談・成約につなげる役割を担います。顧客の温度感に応じたタイミングで連絡することで、商談化率の向上が期待できます。
すでに興味を持っている層への対応となるため、営業プロセスの中でも特に売上に直結しやすい重要な領域です。
営業アシスタント代行(サポート領域)
営業アシスタント代行は、事務作業や顧客管理、日程調整などを代行するサービスです。営業担当が本来注力すべき商談や提案に集中できる環境を整えることが主な目的となります。
直接的に売上を生み出す役割ではないものの、業務効率の改善や生産性向上を通じて、間接的に営業成果を支える役割を担います。
どれを選ぶべきか
営業代行は、自社の課題に応じて選ぶことが重要です。新規リードを増やしたい場合はテレアポ、反響を活かしたい場合は追客代行、業務負担を軽減したい場合はアシスタント代行が適しています。
特に不動産会社では、すでに反響があるにもかかわらず追客が不十分で機会損失が発生しているケースが多く見られます。そのため、まずは反響対応から追客の体制を整えることが、売上改善の近道となります。
不動産営業代行の選び方
不動産営業代行は、どこに依頼しても同じ成果が出るわけではありません。自社の課題に合わないサービスを選ぶと、期待した成果が得られないこともあります。
ここでは、営業代行を選ぶ際の押さえておくべきポイントを解説します。
不動産業界の理解があるか
不動産営業は、一般的なコールセンター業務とは大きく異なり、反響から商談、契約までの流れや、顧客の温度感の変化を理解しているかが重要です。特に売却・購入それぞれの顧客心理を踏まえた対応ができるかによって、商談化率に大きな差が生まれます。
不動産業界に特化したノウハウを持つかどうかは、必ず確認すべき点です。
対応範囲はどこまでか
営業代行は、サービスによって対応範囲に差があります。反響の初動対応のみなのか、継続的な追客まで対応するのか、あるいはアポイント設定まで任せられるのかを事前に確認することが重要です。
この範囲が曖昧なまま依頼すると「予想していたのと違う」というズレが生じ、成果が出ない原因になります。契約前に役割を明確にしておきましょう。
成果の定義が明確か
営業代行を導入する際は「何を成果とするか」を明確にする必要があります。アポイント数を重視するのか、商談化率を重視するのかによって、運用の方向性は大きく変わります。
KPIの認識がズレたまま進めてしまうと、数字は出ているのに売上につながらないといった事態にもなりかねません。自社の目的に合った指標の設定が重要です。
社内と連携はしやすいか
営業代行は、自社との連携があって初めて成果が出ます。LINEやCRMなどのツールを使った情報共有のしやすさや、対応履歴の可視化、報告頻度などを事前に確認しておきましょう。
スムーズに連携できる体制が整っているかどうかは、運用のしやすさだけでなく、最終的な成果にも大きく影響します。
営業代行でよくある失敗事例と注意点
営業代行は正しく活用すれば成果につながる一方で、導入の仕方を誤ると期待した結果が得られないこともあります。ここでは、不動産会社でよく見られる失敗事例と、その注意点を解説します。
丸投げしてしまう
営業代行を導入しても、ターゲット顧客の定義や対応方針、KPIなど初期のすり合わせが不十分なまま運用を始めてしまうと、成果は出にくくなります。顧客情報や温度感の共有がない状態では、適切な対応ができず機会損失につながります。
任せた後に改善のためのコミュニケーションがないと、精度は上がりません。営業代行は「任せて終わり」ではなく、伴走しながら最適化していく運用が前提です。
安さだけで選んでしまう
価格の安さだけで営業代行を選ぶと、成果につながらないことがあります。スクリプト通りの対応に終始し、顧客ごとの検討度合いやニーズに応じたアプローチができないと、商談につながりにくくなります。
アポ数は増えても売上には結びつかず、かえって機会損失が増える可能性もあります。営業代行は「価格」ではなく、最終的に成果につながるかどうかで判断してください。
社内の受け入れ体制が整っていない
営業代行でアポ獲得ができても、以下のように社内対応が不十分だと成果につながりません。
- アポ後の対応が遅い
- 営業ごとに対応が属人化している
- 共有された顧客情報を十分に活用できていない
また、フォローの優先順位が曖昧だと、せっかくの見込み顧客を逃してしまいます。成果を出すには、社内側の動きも含めて仕組み化することが不可欠です。
不動産の営業代行の費用相場
不動産の営業代行の費用は、依頼する内容や契約形態によって違いがあります。ここでは、代表的な料金体系と内製との違いについて解説します。
費用の目安
営業代行の費用は、主に「月額型(固定報酬型)」と「成果報酬型」の2つに分かれます。それぞれの特徴を理解し、自社に合った形態を選ぶことが重要です。
月額型(固定報酬型)
月額型は、継続的に営業活動を任せる場合の一般的な費用形態です。反響対応や追客、アポ設定などを一括して依頼できるケースが多く、安定した運用が可能です。
- 初期費用:10万円〜
- 月額費用:5万〜10万円前後
- 主な内容:反響対応/追客/アポ設定など
特徴
- 継続的に稼働するため、追客や初動対応に向いている
- 安定して運用できる
- 成果に関係なく費用が発生する
参考:ミカタストア「不動産会社におすすめのテレアポ代行サービス7選まとめ」
成果報酬型
成果報酬型は、アポや成約といった成果に応じて費用が発生する料金体系です。初期費用を抑えやすく、導入ハードルが低い点が魅力です。
アポ単価:1万円前後/件
特徴
- 初期コストを抑えやすい
- 成果が出た分だけ支払うためリスクが低い
- 1件あたりの単価は高くなりやすい
参考:ミカタストア「不動産会社におすすめの営業代行サービス13社まとめ」
内製との比較
営業代行を検討する際は、自社で営業担当を採用する場合との違いも理解しておくことが重要です。
人件費(採用・教育)
営業担当を自社で採用する場合、以下のようなコストが掛かります。
- 月給:20万〜30万円前後+社会保険
- 採用コスト:数十万円程度(求人広告・人材紹介など)
- 教育コスト:数ヶ月分の工数+人件費
これらを含めると、営業人材1人あたりの負担は実質的に月30万〜50万円程度になるケースが一般的です。
立ち上がりの時間
採用した営業担当が戦力化するまでには、一定の時間がかかります。
- 採用〜戦力化まで:1〜3ヶ月以上
- 不動産営業は習熟に時間がかかる
- すぐに成果が出るとは限らない
採用したものの売上に直結しない期間が発生しやすい点に注意が必要です。
外注だとスピードが早い
営業代行を活用する最大のメリットは、立ち上がりの速さです。
- 契約後すぐに稼働開始できる
- 教育済みの人材が対応する
- 反響対応や追客を即日回せる
その結果、対応の遅れによる機会損失を防ぎ、売上につながりやすい点が大きな強みです。
営業代行を導入すべき不動産会社の特徴
営業代行はすべての不動産会社に必要なわけではありませんが、特定の課題を抱えている場合は大きな効果を発揮します。ここでは、導入を検討すべき代表的なケースを紹介します。
少人数で回している
少人数の体制では、営業が反響対応・案内・契約・事務まで兼務するケースが多く、リソース不足になりがちです。営業代行を活用すれば、初動対応や追客を分担でき、限られた人員でも効率的に売上を伸ばせるようになります。
反響対応が追いついていない
問い合わせがあっても返信や電話対応が翌日以降になってしまうと、顧客の関心は他社に流れてしまいます。営業代行を活用すれば、反響直後の対応や継続的な追客を任せられるため、機会損失を防ぎやすくなります。
営業が属人化している
特定の営業担当に依存している場合、その人の経験やスキルに成果が左右され、組織としての再現性が低くなります。営業代行を活用し、対応フローや顧客管理を仕組み化することで、誰でも一定の成果を出せる体制を構築しやすくなります。
不動産の営業代行サービス比較5選
不動産の営業代行は「反響対応」「追客」「新規開拓」に加え「事務・営業サポート」など、どの工程を任せるかによって成果が大きく変わります。
ここでは、不動産業界に対応している営業代行サービスの中から、代表的な5つを比較します。
プロアポアシスタント(プロセルトラクション)

特徴
- 不動産業界に特化した営業支援
- 反響への追加架電・追客メール配信・アポ調整
- 物件入稿、資料作成などの日常業務
- 広告運用や業務改善の提案もOK
料金
- 初期費用:5万円
- 反響対応:5万円/月
- 事務作業:要問合せ
追客対応だけでなく事務業務も幅広くカバーし、営業前後の業務をまとめて任せることができます。社内のリソース不足を解消しながら、商談化率の向上にもつなげやすいのが特徴です。
https://prosell-traction.com/proapoassistant
DANKETSU(ファイブスター)

特徴
- 60秒以内のスピード対応で機会損失を防ぐ
- クライアントごとにスクリプトを設計するカスタマイズ対応
料金
- 初期費用:10万円
- 月額:15万円~
幅広い業務に対応できるため、反響対応をまとめて任せたい企業に向いています。
https://store.f-mikata.jp/danketsu
HOTLEAD(homie)

特徴
- 反響直後の即時対応に強み
- 不動産特化の専任チームによる高品質な架電
料金
- 初期費用:30万円
- システム利用:3万円/月
- アポ取得費用3万~5万円/月
初動対応の精度を高めたい企業に適しており、その後の追客は自社で行う前提となります。
カイタクコール(ミカタ)

特徴
- 長期的な架電追客を代行
- 低コストで運用可能
料金
- 初期費用:5万円
- 月額費用:2万円~
すぐに商談化しない顧客も取りこぼさず管理したい企業に適しています。商談化までの対応範囲は事前確認が必要です。
https://tsuikyaku.f-mikata.co.jp/kaitaku-call
アズ株式会社(アポハンター)

特徴
- 成果報酬型のテレアポ代行
- 専属チームによる営業支援
料金
- 要問合せ
- 初回稼働費用:30万円/回~
新規開拓や休眠顧客の掘り起こしを強化したい企業に向いています。
どれを選ぶべきか迷ったら
不動産営業で重要なのは、どの工程で機会損失が起きているかを見極めることです。初動対応の遅れなのか、新規不足なのか、それとも追客が続いていないのかで選ぶべきサービスは変わります。
多くの不動産会社では「反響はあるが追客が止まっている」ことが課題です。反響を取りこぼしている、商談化率を上げたい場合は、プロアポアシスタントのように事務から追客まで一括で任せられるサービスを選ぶことが効果的です。
まとめ|不動産営業代行は「目的」で選ぶ
不動産営業代行は、テレアポ・追客・アシスタントなど役割が異なるため、自社の課題に合ったサービス選びが成果を左右します。中でも「反響はあるが追客ができていない」場合は、最も売上改善に直結しやすいポイントです。
対応範囲や連携体制を確認したうえで、自社に合うパートナーを選びましょう。まずは、反響を取りこぼさない体制づくりから見直すことをおすすめします。